現場で使える知識
ケアマネジャーさん必見!退院時カンファレンスの重要ポイント3つ
患者さんが病院から退院する際に、入院している医療機関より退院時カンファレンスが行われます。
退院時カンファレンスは患者さんが退院後に在宅生活を継続していく為に、様々な関係機関との調整を行う大切な場です。
そのため、退院時カンファレンスでは、退院後の在宅生活をサポートしていく医療・福祉関係の在宅支援サービス事業者スタッフが集まります。
この退院時カンファレンスでのケアマネジャーさんの役割とはどのようなものがあるのでしょうか?今回は、退院時カンファレンスにおける重要ポイントをご紹介します。
【1】各チームの役割分担を曖昧にしない
退院時カンファレンスにおけるケアマネジャーさんの役割は重要です。利用者さんが在宅療養を継続していく為には、各在宅サービス支援事業者の役割を決めておくことが重要となります。
特に、医療依存度の高い利用者さんの場合は関わる介護スタッフが不安にならないような情報共有の仕方も大切になってきます。
また、在宅療養の支援を行っていく中で、ケアマネジャーさんが医療チーム間の意見調整に苦労をされることも多いとされます。
役割分担調整がしっかり行えていないと、利用者さんの状態が悪化した際に介護者の方が「この場合は一体どこに頼れば良いのだろう?」という疑問が生まれてしまいます。そうしている間に利用者さんの状態は悪化してしまいます。
こうした問題を発生させないために、ケアマネジャーさんにとって退院時カンファレンスでの役割分担調整は今後を左右する最も重要な決定事項となるので、準備をして臨むようにしましょう。
退院カンファレンスは、医師や看護師など医療の専門職側から情報提供がなされていくことがほとんどです。福祉の専門職側からしてみると聞き慣れない言葉や手技など多く含まれてきます。「こんなことを聞いてもいいのかな?」など思われることは多いと思います。
しかし、医療職と福祉職は専門性が違うので医療面で理解できないことはわかりやすく説明してもらえるようお願いしていくことも大切です。
【2】利用者さん・ご家族にとって大事なことは必ず情報収集する
在宅介護を始めるにあたり、患者さんの入院生活中の情報はとても重要です。
在宅で介護を続けていく為には、ADLの維持は欠かせません。ADLが悪化していくと身体機能の低下だけでなく認知機能の低下にも繋がり、介護者の負担が増加してしまいます。
ADLを維持するためには「出来ることは自分で行ってもらう」ということがとても大切です。院内での入浴・排泄・更衣などのADLに対する介助量はどの程度だったかということを把握しておきましょう。
また食事についてもヒアリングは大切です。脳血管疾患は在宅介護の原因となる疾患の一つですが、嚥下機能の低下が認められていることは珍しくありません。適切な食事方法を行えないと誤嚥により肺炎を起こす可能性があり、高齢者にとって肺炎は高い死亡率となっています。
「嚥下障害はどの程度か」・「適切なベッドの高さは」・「むせ込みが少ない姿勢は」・「安全に嚥下できる食事形態」等は毎日行われることですのでヒアリングを忘れないようにしましょう。
看護師さんたちも看護を行う中で必ず苦労したことがあるはずです。医療従事者が苦労したことは、介護者の方も今後苦労する可能性は高いです。
「看護師さんたちが苦労したことはなにか」ヒアリングすることが重要となるでしょう。また介護者の方に事前に聞いておいてほしいことはなにかヒアリングすることも忘れないようにしましょう。
【3】双方にとっての経済上のメリット
患者さん・ご家族にとって重要な退院時カンファレンスですが、在宅サービス事業者にとっては多忙な中医療機関まで赴くには双方にとって経済上のメリットがあるという点が重要となります。
ここで大事となるのが退院時カンファレンスを行うことで、それぞれ加算が発生するということです。病院側では退院時カンファレンスを行うことで、介護支援連携指導料・退院時共同指導料2を加算として算定することが出来ます。
介護事業側としても退院・退院時連携加算、算定をすることが出来るという経済的なメリットがあります。
まとめ
在宅での暮らしが推奨される現代において、ケアマネジャーさんの働きは重要となってきます。利用者さん・ご家族だけでなくケアマネジャーさんの負担軽減の為にも、退院時カンファレンスの場を上手く活用していきましょう。