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コラム

在宅医療って面白い!在宅医療18年の看護師経験を通じて感じた魅力とは

在宅医療って面白い!在宅医療18年の看護師経験を通じて感じた魅力とは

こんにちは。看護師の佐竹昌代です。今回は、病院医療と在宅医療での看護師の働き方の違いについてお話ししたいと思います。同じ看護師でも病院医療と在宅医療では働き方や役割が大きく違います。また、在宅医療でも、訪問看護師と在宅クリニックの看護師では、役割が違います。この多様性が看護の難しさであり、面白さでもあります。
本記事では、私が在宅医療に携わってきた18年の経験をもとに、在宅医療のおける看護の面白さについてご紹介したいと思います。

 

同じ看護師でも病院と在宅ではこんなにも働き方が違う。

私は20歳で看護師の免許を取得し、急性期病棟へ配属されました。急性期ならではの忙しさはマルチタスクをこなす良いトレーニングになりました。急性期病棟のお仕事は面白く効率化が好きな私にはとても合っていたように思います。しかし出産後、夜勤ができないという理由から退職し在宅医療に分野に飛び込みました。

 病院と在宅での看護の違いは、病院の仕事はとにかく多忙です。例えば手術後の患者さんを観察し処置を行いながら異常の発見に務める、緊急入院の新患を受け入れる、状態が悪化した患者さんの状態をドクターに連絡し指示受けし処置を行う、受け持ちの患者さんの状態把握、これらのことをすべてカルテに記入するなど、頭の中で多くのことを考えながら優先度を決めて行動しなければなりません。

在宅分野の中での訪問看護業務は、1人の患者さんと向き合い困っていることを抽出し課題解決を行い、その方の生活を崩さず療養が継続できる援助が中心でした。

また、在宅クリニックの看護師は医師のサポートが主な仕事になります。患者さんや地域の方へ診療の報告や相談など伝える能力が必要になります。

このように看護と一言でいっても全くお仕事が違うのです。

 

患者さんとの信頼関係を築くために些細な表情の変化を見逃さない。

簡単なわかりやい事例を出してみます。病院で清拭時間になると、看護師は決めた順番に体拭きを行います。その時、患者さんがどのように拭いて貰えば一番心地いいかという事は置き去りになってしまうこともあります。きれいにするという目的は達成されますが、体拭きが作業的になってしまい、心地よさは後回しになってしまうこともあるのです。

一方、在宅では、体を拭いている最中に患者さんが寒さを感じる表情をしたとします。その表情を逃さず察知し、乾いたタオルをかけて暖めるというアレンジをきかせ、満足感を高めることができます。そういった、些細な気遣いの積み重ねがお互いの信頼関係を強くします。信頼関係が強くなると悩みや相談事を赤裸々に打ち明けてくれるような緻密な関係に変化するのです。

 

見失ったやりがい。その中で見つけた在宅クリニックの看護師ならではの役割と魅力とは。

私は訪問看護を通して在宅での看護の醍醐味や面白さを感じていた中で、在宅クリニックを立ち上げ、新たなスタートを切りました。いざ始めてみると、自分が医師の診療にただ同行するだけの秘書のように感じてしまい、大きなスランプに陥りました。

「この仕事なら看護師の免許いらないよ、、、」

と、思った時期もあるくらい悩んだこともあります。

そのような中で、助けてくれたのは患者さんやそのご家族でした。患者さんから、「あなたが笑顔で向き合ってくれるから正直な気持ちを話せる、嬉しい、また来てね。」と言って頂けました。お看取りの際、ご家族から感謝のお言葉を頂けたことで在宅クリニックの看護師としての役割があるんだと自分を見つめ直すことができました。

また、在宅医療では、他事業所の訪問看護師とも協力し、情報共有することが重要です。在宅クリニックの看護師として、他職種間を連携するハブになり、チームを円滑にすることにやりがいを感じるようになりました。チームを目標達成に導くことが、私の新しい役目でもあると気付きました。

これ以外にも、在宅クリニックの看護師としての面白さがあります。それは、医師と距離が近いことで患者さんへの治療がより理解できるということです。移動中の車内では患者さんについての治療方法や方向性について、医師と話し合いが活発に行われています。なぜ、今この治療がチョイスされているのかなどの医師の視点を聞くことができます。医師との話し合いを通じて今まで以上に医療についての理解が深まりました。

在宅クリニックの看護師は、治療の方針や理由を訪問看護師に正確に伝えることが必要です。医師との話し合いは、訪問看護師との連携にも重要な役割を果たしています。

 

在宅医療の面白さを多くの看護師へ伝えたい!

最後に、在宅クリニックの看護師に求められる役割について‘’繋ぐ‘’ということがとても大切です。在宅クリニックの看護師は、「患者さんとご家族」、「患者さんと医師」、「診療と地域ケアスタッフ」をつなぐことが求められます。多職種連携のハブ機能を担うので、情報を整理整頓し、的確に伝えることことが求められます。

また、学ぶ姿勢もとても重要です。病気だけではなく社会資源を最大限に使いより良い療養を提案できる力が求められます。

看護師という免許は同じですが、病院と在宅での働き方の違い、在宅の中でも訪問看護と在宅クリニックにおける看護に求められる役割の違いなど、多様性があります。この多様性が在宅医療の難しさであり、面白さであると感じています。この面白さを多くの看護師に伝えていきたいです。そして、各人が職業人として活躍できるような環境を作っていきたいと考えています。

 

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Youtubeで本記事に関する内容をご視聴いただけます。ぜひご覧ください。

 

この記事を書いた人

佐竹昌代

木の香往診クリニック 副院長・看護師

2010年4月の開業以来、看護師業務と合わせて、患者様の受け入れ調整や困ったときの相談対応などを行ってきました。

患者様やご家族の話を聞き、安心して在宅で過ごしていただけるよう、社会制度の利用やサービスの調整、療養環境の検討などを行なっております。

何か困りごとがあれば何でもお気軽にご相談ください。

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